誕生日にヒット打ったよ
息子の少年野球の試合の日、ちょうど私の誕生日だった。息子は、上の学年の選手と同行できるメンバーに選んでもらえたので、今回こそはスタメンで初ヒットだね!と気合いが入ってた。私は「お母さんの誕生日にヒットプレゼントしてちょうだい。」と息子に真剣に伝えた。
試合会場まで自転車で向かった。とても暑くて、気温はもう10月なのに30度近くあった。
自転車をこぎながら、いろいろ考え事をしていた。
大学生の頃、自分には何の取り柄も無いことがとてもコンプレックスであり、「何でも良いから何かの日本一になりたい。」と思っていた。(実は数年後にある形でその目標は達成することができた。)それから月日は流れた。
先日のミーティングで、最近入社した新しい上司が「世界トップレベルの業務を目指して行こう」と、話していた。私は今の会社にヘッドハンティングされたときに、ヘッドハンティングしてくれた知人と、「日本一の業務を目指そう」と誓っていたが、その知人は退職してしまった。そして、今の上司の前の上司も熱血漢だったけれど、ある日急に帰らぬ人となり。なので、自分の中の業務に対する情熱は淡々とした気持ちになりかけていた。そこで日本を飛び越え世界トップレベルである。私は興奮した。
そして、息子の少年野球も目指すは全国制覇。つまり、日本一ということである。私は時を経て、世界一と日本一を同時に目指している。そんな誕生日だなんて、幸せだなと思っていた。
会場に着いたら試合が始まっていた。息子はスタメンでは無かったが、途中交代して試合に出た。ヒットを打っていた。試合での初ヒット。とことこと私のところに近づいてきてこう言った「誕生日にヒット打ったよ。」