元オリーブ少女の知的財産な日々

少年野球や知的財産権や写真や車やバイクなど

マジックとタクシーと車酔い(3)

マジックとタクシーと車酔い(2)からの続き

ダッシュし、転倒し、バスに乗り遅れたものの、なんとか時間には帰宅を果たし、ある種の達成感に満たされた私に息子は「車に酔った。気持ち悪い...」と言った。
おいおいちょっと待って。私のダッシュと転倒とタクシーは...。泣きそうになる気持ちを堪え、「分かったよ。そしたら、ちょっと休んで、練習行ってみて、やっぱり気持ち悪かったら帰ってこよう」と提案をした。

時間になったので、家を出て練習に向かった。息子はうつむき加減。私は無言。良くないのは分かってる。でも、来週は大事な試合があることが決まっていて、そのためにも今日は大切な練習の日なのに。なのになんで休んじゃうのさと...頭がいっぱい。

息子が練習に前向きになれないのには、他にも理由があることも知っていた。前から怖いコーチがいるという話は何度も聞いていたし、「今日コーチ誰がくるの?」としきりに聞いてきたので、車酔いだけでは無いんだろうと思っていた。でも車酔いで気持ち悪いと言われたら、それ以上「言い訳してないで練習には参加しろ!」なんて言えない。
かつて息子が他のお稽古を嫌がって泣きながら「行きたくない!」と叫んだときは、「そんな泣いて行かないなんて、お母さんの子供じゃありません!」と激怒した。それが良いのか悪いのか分からない。でも、息子にはそう言ったほうが良いのかなと私は考えた。

そういう状況で、何とか練習開始時間15:00に間に合うようグラウンドには到着。しかし、息子はグラウンド前に立つ、恐れているコーチを見つけたとたん、号泣してしまったのだった。他のコーチにも声を掛けてもらって、何とかアップには参加したので、その間、私は息子が恐れているコーチに「ちょっとお話させてもらって良いでしょうか」と声を掛けて説明した。息子がちょっとコーチ怖いって言ってて。他にも夏に休み過ぎたりとか、原因はいろいろあるんだと思うんですけれど、ちょっと挫けちゃったみたいで。と。私自身は、そのコーチが息子に真剣に向き合ってくれていることを知っていて感謝する気持ちがあったので、伝えようかどうしようかは悩んだのだけれど、直接相談することにした。コーチは息子のことを「負けず嫌いで、プライドが高いから、ちょっと折れちゃうとまた上がってくるのが難しいタイプですよね。」と言っていた。それを聞いて私はこの人は占い師か?と思ってしまった。というのも、私達つまり夫と私がそういう性格なのである。さらにコーチは続けた。「そんなにキツいこと言ってるつもりは無いんだけどな。あとは自分自身(息子の)の問題だと思いますよ。」まあそうだよなと思った。

その後アップが終わって、息子はとぼとぼ私のところに歩いてきて「やっぱり気持ち悪い」という。「わかったよ。じゃあ治るまで見学してようか。」と、練習を見学することにした。
(続く)